YCE生を迎えて
松本中央ライオンズクラブ L.上島 昌

このたび、イタリアより20歳のラケーレ・ブサートさんをお迎えしました。彼女は、イタリア北部に位置し、2006年冬季オリンピックの開催地として知られるトリノ近郊、アルプス山脈の麓に佇む小さな町から日本にいらっしゃいました。曽祖父母や祖父母、ご両親、そして兄弟たちと共に一つの敷地内で生活し、現在は地元のレストランでウェイトレスとして働いています。将来は心理学を専攻すべく、2025年からトリノ大学への進学を目指していると語られ、その意欲と目標に深い感銘を受けました。

イタリアといえば、ローマ帝国時代の遺跡や壮麗なカトリックの教会など、世界遺産の宝庫として知られる国です。このような歴史と文化の奥深い国からのゲストに対し、松本や長野県の魅力をどのようにお伝えすればよいか、当初は戸惑いを覚えました。しかし、日本の真の魅力は、単なる歴史的建造物や神社仏閣だけではなく、むしろ「日本人そのもの」にあるのではないかと改めて感じました。
日本はその民度の高さにおいて、世界の中でも特筆すべき国です。例えば、新幹線の清掃スタッフが限られた時間内で完璧に作業を遂行する姿がSNSで話題となったように、日本人は仕事に対する責任感と誇りを持ち、他者のために尽力する精神を大切にしています。このような日本人の姿に触れたことこそが、ラケーレさんにとっての日本滞在の大きな価値となると信じています。今回の滞在では、5つのホストファミリーに支えられるという特別な経験をされましたが、地元の人々との温かな交流を通じて、彼女が日本という国をより深く理解する機会を提供できたのではないかと思います。

        

①松本城前で自身が選んだ着物を着て   ②ラケーネさんが滞在したお部屋で   ③ラケーネさんが1から創り上げた生け花の作品 

 

松本中央LC L.滝澤文雄

YCE生とは、同年の孫の羽葉と妻、愛犬メイと私で過ごしました。その間彼女を愛称レイチェルと呼ぶことにしました。岡谷の秋宮へ行った時にはお守りの中身は何かと興味津々。オルゴール館では組立てを体験。お昼は寿司。サーモンの握りを美味しそうに食べていました。諏訪湖の廻りをドライブし穂高向かう途中スーパーマーケットで夕食の買物をした際には、スケールの大きさと食材の豊富さに驚いていたようです。夕方には「アルプス安曇野公園」でイルミネーションを鑑賞。規模の大きさと美しい色の数々に孫と共に大はしゃぎ。入浴では浴槽に入る習慣がないとの事で、一生懸命バスタブを磨いた妻はチョットがっかりしていました。

朝食は納豆やみそ汁やごはんなど日本食のオンパレードでしたが、納豆を美味しそうに食べたのと、箸の使い方の上手なのには驚きました。その後「碌山美術館」へ。イタリア語を話せる学芸員の案内で安曇野のロダンの作品にウットリ。

「大王わさび園」では、水車小屋、道祖神、わさびコロッケ、わさびソフトクリームに大喜び。このわさびソフトクリームが一番印象に残ったようです。また、おやつで食べた抹茶と和菓子の美味しさにも感動していました。

お別れの時は孫と妻とハグし合って別れを惜しみました。帰国した後も孫の羽葉とは連絡を取り合っているようです。

妻の感想では、「レイチェルはシンプルで美しく、とても素晴らしい女性でした。」との事です。今回の出会いを想い出にして大切にしていきたいと思っています。